ところが、一方…
無線機自体は前日に故障して、通信ができない状態になっていました。
当時のマルコーニ社のマニュアルによれば、
「船が到着次第、マルコーニの技術者が機器を修理する。
故障機器には手を触れず、それまではバッテリータイプの予備機を使用する」
ところが彼らがその規則を破り、通信機器を修理してしまった。
予備機では、通信できる範囲が限られていて、ケープレース(カナダ)との通信はできなかったのです。
修理できた後は、物凄く溜まってしまった乗客からの依頼の通信文の処理に追われてしまっていました。
ですが、もし、この時故障したままであれば…修理をしないで規則通り予備機を使っていたら…
そう、タイタニック救助に向かって来てくれた(遠く離れた)カルパチアとも、通信ができなかったはず…
(キャメロン「タイタニック号の謎にせまる(Titanic: 20 Years Later with James Cameron)2017」(ナショジオ)より)